「心から感謝しています」
2008年05月19日
昨年春、息子が高校に入学してすぐ、学校で2泊3日の
オリエンテーションが行われました。
そのとき、親への宿題として出されたのが「子どもへの手紙」。
封をして返信用の封筒を添えて提出する・・・というものでした。
これは、息子に宛てた手紙です。
そして、「心から感謝しています」 は手紙を読んだ息子からの言葉です。。。
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息子へ
志望校入学おめでとうございます。
あらためて、手紙を書くのは少し照れくさいですが、
このような機会を与えてくださった学校に感謝しながら、
お母さんのあなたへの思いをつづらせてもらいます。
こないだ、夜二人でテレビの映画を観ているとき、
ラストのシーンで子守唄が流れてきて、
お母さんは「あなたが赤ちゃんのとき、
あなたに子守唄を歌ってあげてないのよ・・・」と話しましたよね。
あの時のことをもう少し詳しく書きたいと思います。
お母さんは、あなたが生まれる1年前、卵巣に病気が見つかって
治療をしないと子どもが出来ないことがわかりました。
どうしても子どもが欲しかったお母さんは、先生に勧められて
ホルモン治療をすることにしましたがその治療の最中、
何万人に一人という異常反応を起こして緊急入院。
胸水や腹水が溜まるという最悪の状況になり、
何度か危篤状態になって生死をさ迷ったこともありました。
結局、腫れ上がった両方の卵巣の一部を切り取るという手術をして、
なんとか退院できましたが、子どもはもう無理かもしれない・・・
と内心あきらめていました。
ところが、退院して数ヶ月後、奇跡的にあなたを授かりました。
病院の先生や看護婦さんたちも驚かれ、
そしてみんなとても喜んでくれました。
10ヶ月間、お腹の中で大切に大切に育てて生まれてきたあなたは、
神様からの贈り物のように思えました。
だから、抱っこをして子守唄を歌ってあげようとすると、
嬉しくて幸せで・・・
天使のようなあなたの顔をみていると涙があふれて・・・
歌えなかったのです。
小学校の6年生まで、いつも「あなたはお母さんの宝物!」
といって抱きしめながら
玄関でいってらっしゃいをしてましたよね。
ほんとはね、今でもそうしたいくらいです。
「きもい」と言われそうだけど・・・
お母さんはあの時、「ホルモン治療をする」ことを選択しました。
もし、治療をしないことを選んでいたら
あなたは、生まれてこなかったかもしれません。
ホルモン治療をしたことによって、とても大変な思いをしたけど、
結果あなたを授かることができて、
自分の選択は間違っていなかったと思っています。
私たちの人生は選択の連続です。
食べるもの、着る物、話す言葉、行動、進路・・・
これから、責任が伴う選択も多くなってくるでしょう。
その過程の中で時には失敗したと思える選択も、
時が経てば、ああ結果的にはこちらでよかったんだと分かったり、
その失敗があったからこそ大切なことを学べたと気づいたりします。
だから、自分を信じて、自分の選択に自信を持ってください。
お母さんは、あなたをいつも信じています。
あなたが選択したこと、そしてそこから得た経験は、
あなたが大人として男として成長する上できっとあなたにとって
必要なことなのだと思います。
そしてお母さんは、その選択にあなたが自分で責任を取れると
信じています。
これから神様は、あなたの前にいくつかの壁を用意されるでしょう。
その壁を避けて他の道を行っても、
その道にもその壁はきっと現れます。
あなたはその壁を乗り越えるか、蹴倒すか、ぶち壊すかして
突き進まないといけません。
でも、あなたならきっと出来ます。
最終回、一打逆転のチャンスに廻ってきた打席に臆することなく、
不敵な笑いさえうかべその場面を楽しみながらクリーンヒットを
打ったあなたなら、出来ると信じています。
これから始まる高校生活は、あなたにとって素晴らしい
3年間となるでしょう。
わくわく、どきどき、いろんなことに挑戦しながら、
自分らしく自分を信じて思いっきり楽しんでください。
最後に・・・
自分が友達を信じれば、
友達もあなたを信じてくれるでしょう。
自分が友達を大切にすれば、
友達もあなたを大切にしてくれるでしょう。
すべて、相対する人は自分の心の鏡です。
それを忘れないで、今までのようにいっぱい友達をつくってくださいね。
おかあさんより
息子からの返事
僕は、親に反抗することが最近多かったような気がします。
手紙を読んで、新しく知ったことはたくさんあったけれど、
死ぬかもしれない思いまでして、
僕を生んでくれたことには驚きました。
心から感謝しています。
反抗することも、できるだけなくしたいと思うけど、
たまには反抗したりするかもしれません。
その時は、いつもの様に優しく受け止めてくれたらうれしいです。
父さんにも一度反抗したことがあったけど、
父さんらしく正しい道に戻してくれたこともありました。
それもまた同じように感謝しています。
これからも、たくさんのことでお世話になるけど、よろしくお願いします。
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息子への接し方・・・
まだ、これでいいという確信は持てていません。
仕事を言い訳に、あまり構っていないのも現状ですが、
溺愛でなく、放任でなく、
「信任」 していたいと思っています。
これからも、彼の人生の応援団長として、
彼を心から、応援したいと思います。
ご子息のご入学
心よりお祝い申し上げます。
わたくしも二人息子(20歳と17歳)がいます。
息子さんへのお手紙を読んで、くすんっとじわっとなりました。私もファイトが湧きました。

ありがとうございます♪
きっと、お二人の息子さんたちは、いつも元氣に頑張るミラクルシンデレラさんの背中を見て、のびのび育っていらっしゃるのでしょうね~
いつか、子育て談議をいたしましょう!
